2026.09.27
NEW
高気密高断熱で後悔しないために。UA値・C値・換気で確認したい3つのこと
※アイキャッチ画像はAIで生成したイメージです。
こんにちは。K’Sプランニングの北條です。
家づくりを始めると、住宅会社から「高気密高断熱の家です」という説明を受けることが増えると思います。
では、どこからが高気密高断熱なのでしょうか?
実は、この言葉だけでは性能の程度までは分かりません。同じ「高気密高断熱」という表現でも、断熱性能、気密性能、換気計画の考え方は会社によって違うからです。
私は以前、東北地方で家づくりに携わっていました。徳島へ戻ってきたとき、外は東北より暖かいはずなのに、家の中を寒いと感じる方が少なくないことに驚きました。
住宅の快適さは、地域の気温だけで決まるものではありません。建物が外の寒さや暑さの影響をどれくらい受けにくいか。そして、せっかく整えた室温をどれくらい保てるかが大切です。
今回は、高気密高断熱の家で後悔しないために、住宅会社へ確認したい「UA値」「C値」「換気」の3つを整理します。
まず知っておきたい、高断熱と高気密の違い
高断熱と高気密は、よく一続きの言葉として使われます。
ただし、役割は同じではありません。
- 断熱:壁、屋根、床、窓などを通して熱が移動しにくくする
- 気密:建物にある意図しない隙間を少なくする
- 換気:必要な空気を計画的に入れ替える
いくら断熱材を厚くしても、建物に隙間が多ければ、そこから空気と一緒に熱が逃げます。
反対に、隙間を少なくしても、壁や窓などから熱が伝わりやすければ、室温は外気の影響を受けます。
そして、断熱と気密を高めた住宅ほど、空気の入口と出口を考えた換気計画が重要になります。
どれか一つの数字だけを良くすれば完成、という話ではありません。この3つをセットで見ることが、高気密高断熱住宅を判断する第一歩です。
1.UA値は「熱の逃げやすさ」を見る数字
UA値は、住宅の壁、屋根、床、窓などを通して、家全体からどれくらい熱が逃げやすいかを表す数値です。
基本的には、数値が小さいほど断熱性能が高いと考えます。
国の住宅性能表示制度では、地域区分ごとに断熱等性能等級の基準が定められています。建築地ごとの確認が必要ですが、6地域では、断熱等級6のUA値基準は0.46以下です。
K’Sプランニングでは、断熱等級6、UA値0.46以下を標準としています。
ここで確認していただきたいのは、会社が示している代表的な数字だけではなく、検討しているご自身の家がどの程度になるのか、という点です。
窓の大きさや間取りなどが変われば、計算結果も変わります。「会社の標準値」と「自分の家の計算値」を分けて確認することが大切です。
2.C値は、完成する家で測って初めて分かる

C値は、床面積1平方メートルあたりに、どれくらいの隙間があるかを表す数値です。こちらも、数値が小さいほど隙間が少ない住宅です。
UA値との大きな違いは、C値は計算だけでは確認できないことです。
設計図に「高気密仕様」と書いてあっても、実際の隙間の大きさまでは分かりません。現場で施工した住宅を一棟ごとに測定して、初めて確認できます。
そのため、住宅会社へは次のように聞いてみてください。
「C値の目標はいくつですか?」
そして、もう一つ。
「その数字は計画上の目標ですか。それとも完成した住宅の実測値ですか?」
似た質問に見えますが、意味は大きく違います。
K’Sプランニングでは、全棟で気密測定を行い、C値0.5以下を基準にしています。「高気密と書いてあるから」ではなく、完成する家ごとに数値で確認するためです。
3.高気密だからこそ、換気を一緒に考える
「気密性を高くすると、息苦しくなりませんか?」
これは、打ち合わせでよく出る疑問の一つです。
高気密にすることは、換気を止めることではありません。どこから入ってくるか分からない隙間風を減らし、設計した給気口と排気口を使って、必要な空気を計画的に入れ替えやすくするためのものです。
国土交通省の資料でも、気密化の目的として、漏気による熱損失を抑えること、換気経路を明確にすること、壁の中への湿気の流入を抑えることが挙げられています。
ただし、換気設備は設置すれば終わりではありません。
- どの方式の換気設備を使うのか
- 給気と排気をどのように計画するのか
- フィルターや給排気口を掃除しやすいか
- 入居後にどのような手入れが必要か
こうした点まで確認しておく必要があります。
K’Sプランニングでは、ダクトレスの全熱交換式第1種換気システムを採用しています。換気によって捨ててしまう熱を90%回収しながら、室内の空気を入れ替える考え方です。
「高気密高断熱で後悔した」を防ぐための4つの質問
住宅会社を比較するときは、「高気密高断熱ですか?」だけで終わらせず、次の4つを確認してみてください。
- 検討中の家は、断熱等級とUA値がいくつになるのか
- C値の基準はいくつか
- C値は全棟で実測するのか
- 換気方式と、入居後のお手入れ方法はどうなっているか
数字は、住宅会社を競争させるためのものではありません。
自分たちが建てる家について、何が設計上の数字で、何が現場で確認された数字なのかを見分けるための判断材料です。
まとめ
高気密高断熱の家を考えるとき、大切なのは一つの言葉や数字だけで判断しないことです。
UA値で断熱性能を確認する。
C値を実際の住宅で測る。
そして、その気密性能を活かせる換気計画になっているかを確認する。
この3つが揃って、初めて住宅の性能が実際の暮らしにつながります。
モデルハウスを見学するときも、室内の暖かさだけでなく、「この家のUA値はいくつですか」「C値は実測していますか」「換気のお手入れはどうしますか」と聞いてみてください。
答えの数字だけでなく、どのように確認しているかまで説明してもらうと、その会社の家づくりに対する考え方が見えてくると思います。
北條
スタッフ別アーカイブ
タグ別アーカイブ